脚本家・三谷幸喜氏が3日、レギュラーを務める「情報7daysニュースキャスター」に出演。日本テレビ系でドラマ化された「セクシー田中さん」の原作者、漫画家の芦原妃名子さんの訃報を受け、原作のあるものを映像化するということについて、自身の考えを語った。三谷氏は演出や監督も務める。原作、脚本について語った部分の全文は以下の通り。

 「僕はオリジナルの脚本を書くことの方が多いので、脚色ってあんまりやってないんですよね。他局ですけど、アガサ・クリスティーの小説を今まで3本スペシャルドラマ化するってのをやってて(※編注・フジテレビ『オリエント急行殺人事件』など3作)。その時僕はクリスティーの原作通りにやろう、なるべく忠実にやろう、と心がけて。わりとうまくいったんですよ。なんでうまくいったかというと、クリスティーの小説って、3時間のドラマにちょうどいい分量なんですね。

 これを、例えば連続ドラマにして1クール11回にしてください、って言われたら、もっと膨らまさなきゃいけない。逆に1時間のドラマにしてください、って言われたら、削らなきゃいけない。それって難しい問題で。もともと、小説や漫画もそうですけど、映像化する時に、どうしても時間、っていうのが出てきて。映像は“時間芸術”なんですよね。小説も漫画もそうじゃない。それをある一定の時間におさめなきゃならない。となると、無理が出るんです。そもそも無理が出るものなんです。

 だから原作者の方ってのは、映像化を許可する時には、そこを理解しとかなきゃいけない。特に漫画って(映像化が)難しい。カット割りもしてるし、小説よりも具体的に書いてあるから。それを映像化する時には、みんなが満足するものができるわけないじゃないですか。でもそれを分かって、映像化の権利を…。それが嫌だったら、映像化させない、ぐらいの気持ちでいてほしいなと思います。

 その上で、脚本家はできる限り、原作者の思いをくんで。世界観は原作者が考えたものだから、そこを逸脱してはいけないと思う。

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