調査は、精製前の蜂蜜と同国内で販売されている蜂蜜製品を対象に、2015~16年と2019年の2回にわたって行われた。

1回目の調査では、全国から集めた300サンプルの残留農薬を検査。その結果、全体の22%にあたる67サンプルからグリホサートを検出。そのうち5つのサンプルは、政府が定めた国内向けの残留基準の上限(0.1mg/kg)を超えていた。いずれも精製前の蜂蜜だった。

300サンプル中、マヌカハニーと、マヌカハニーが含まれていると見られるブレンド品は合わせて116サンプル。その16%にあたる19サンプルからグリホサートが検出された。残留基準を超えたものはなかった。

2回目の調査は、国内向けのマヌカハニーの製品に絞って行われ、全60サンプル中、18%にあたる11サンプルからグリホサートを検出した。残留基準を超えたものはなかった。

汚染源は農場や牧場
報告書は、蜂蜜からグリホサートが検出されたのは、グリホサートを使用している農場や牧場の近くに巣箱を置いたことが原因と指摘している。グリホサートが検出された蜂蜜の多くが、農場や牧場に植えられることの多い、クローバーや牧草用の草花の花蜜を原料としたものだったためだ。

マヌカハニーに関しても、グリホサートが検出された製品は、マヌカの花蜜に他の草花の花蜜が一定量混入した「マルチフローラル」と呼ばれるブレンド品に多かったことから、やはり農地に比較的近い場所に巣箱を置いた結果、ミツバチがグリホサートのかかったクローバーや牧草の花蜜を集めてしまったためと推測している。

ミツバチが蜜を集めるために飛び回る範囲は半径2~3kmと言われており、グリホサートが検出された蜂蜜は、農地から巣箱までの距離がこれ以内だった可能性が高い。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e9d911d3011a0fdd77e2bb590a8afe789aa7fb46