>>297
> これらの善政伝説は江戸時代以降に語られるようになったもので
 
そう思いたい人にとっては甚だ遺憾なことではあるが、同時代史料にある。
本当に「善政」だったか否かは知らず、
「善政と評価されていた」ことは否定できない。
他國と北條の統治体系に差があったか無かったか、史料や研究論文を当たった上で貴君自ら判断されたい。

また関東の在地の荒廃は戦国末期に特に顕著だったわけではない。
遅く見積もっても享徳ノ乱の当時から荒廃を極めている。
その状況下で前代の統治者が十分な対応を取れなかった事実が北條善政伝説の前提になったことは想像に難くない。

また佐竹が室町体制を固守しようとしたとは初耳だ。
室町体制そのものの内訌を克服して「戦国大名」化を果たしたからこそ北條との間に実体利害の矛盾を生じて対立に至ったわけだし、
永年に渡って北條に対抗し得たのも佐竹が戦国大名だったからに外ならない。
佐竹もまた北條とは異なる形で旧秩序へのアンチテーゼを提示していた。
それは彼等に自覚があろうと無かろうと、客観事実として動かない。