そもそも他の大名の領国でも特に統治に差があったとは思えない
例えば室町体制を最後まで守ろうとして北条と対立していた佐竹も善政で知られていて400年経った今でも慕われているが
話の内容は北条と極めて似ている
だが戦国末期の関東は災害が多発して飢饉も発生し領民の暮らしはかなり苦しかった事は間違いない
それに加えて北条も佐竹も毎年のように戦を繰り返していたから賦役と年貢の負担はかなりのものであった事も疑いようがない
これらの善政伝説は江戸時代以降に語られるようになったもので
逼迫した江戸時代の諸藩の暮らしに対するアンチテーゼとして生み出された虚構に過ぎない