イカリソース、資金繰りで巨額詐欺容疑…大阪地検

 老舗ソースメーカー「イカリソース」(本社・大阪市)などが、産業廃棄物処理事業に進出するため、購入したリサイクル設備の能力を高性能と偽ってリース会社に実際より高く売却し、代金約8億円を不正に受け取っていた疑いの強いことが17日、関係者の話などでわかった。

 大阪地検特捜部もこうした事実を把握、経営が悪化していたイ社側が、当面の運転資金を引き出した可能性が高いとみて、経営陣らによる詐欺容疑の立件を視野に慎重に捜査を進めている模様だ。

 関係者などによると、イ社はバブル期の不動産投機などに失敗し、資金繰りが悪化。取引先と福井県内の産廃処理事業協同組合の共同運営に乗り出す際、リサイクル設備を約5000万円で購入し、リース会社2社に約8億円で転売した。

 イカリソースは1896年創業。日本で初めて国産ウスターソースの発売を始めた。昨年11月期は約79億円を売り上げたが、3期連続で赤字を計上した。