大阪うどん うす味の謎
http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/01/10/1028.html

関西と関東のうどん屋さんをウォッチングすると、面白いことに気がつきました。
関西の人はうどんのつゆを飲み干すのですが、関東では残すのです。
この差は何なのでしょう?そこで大阪の名店「今井」と東京の名店「上野藪蕎麦総本店」
それぞれのつゆの塩分濃度を測ってみると、関西が2.5%なのに対し、
関東は6.7%と2倍以上塩分濃度が高かったのです。
実は関西と関東では、使っているしょう油とその量が違ったのでした。
関西ではうす口しょう油、関東では濃口しょう油を使用。
うす口しょう油の方がやや塩分濃度は高いのですが、使用するしょう油の量に大きな違いがあったのです。
関西がだし18 リットルあたり500mlのしょう油を入れるのに対し、
関東は関西の4倍以上の2200mlものしょう油を入れていたのです。

それでは関東風のだしに関西風にしょう油を加えれば、関西の人もしょっぱくなくて飲めるのでは?
と“うすい色の関東風うどんつゆ”を制作。
ステージに関西の味の名人(たこ焼屋さん、串揚げ屋さんほか)5人に来てもらい、味を判定して頂くことにしました。
ところが感想は「魚のえぐみがきつい」「たきすぎた匂いがする」とやはり不評。

関西の方が嫌う関東のつゆの匂いの秘密はどこにあるのでしょう?
関西、関東のつゆの匂いの強度を測定すると、関東は関西の2倍も匂いがきつかったのです。
実は関西と関東では、だしの取り方にも違いがありました。
だしを作る時、まずコンブを入れるところまでは関西も関東も同じ。
しかし、次に入れる魚のだしの量と煮る時間に差がありました。
関西は水18リットルあたりに600gのだしを入れ5分間煮るだけ。
それに対し関東は関西の2倍近くの1000gのだしを入れ、さらに1時間もかけて煮ていました。
関西の方が嫌う匂いの正体は魚のだしにあったのです。
関西はコンブだし中心、関東は魚だし中心。これは江戸時代、関西中心にコンブが普及したという歴史的背景も有ったのです。