4月12日は「パンの日」。遡ること1840年、火を起こす必要はなく、消化も良く、保存性・携帯性にも優れている「兵糧パン」と呼ばれるパンを提案した日が日本におけるパン発祥とされており、1983年に「パン食普及協議会」によって制定されたという。
ところで、食パンの厚さが関西と関東で異なることをご存じだろうか? 関西で生まれ育った筆者にとって食パンといえば、4・5・6枚切りをまずイメージする。
スーパーに行けば、その3種類が必ずパン売り場に陳列され、子どもの頃から食卓では大抵「5枚切り」。現在でも食パンを購入するときには迷うことなく「5枚切り」を選んでいる。
しかし、就職して首都圏に住んだときには、「8枚切り」がスーパーのパン売り場のほとんどを占めており、「6枚切り」を見かけることはあっても、「4〜5枚切り」を見かけることはあまりなかったように思う。
なぜ関東と関西で違いがあるのか? 大手パンメーカー「神戸屋」(本社:大阪市淀川区)の広報・中村宗敬さんに訊いてみると、「戦後間もなくは、進駐軍からサンドイッチ用に8枚切りの食パンをつくるように指示されていたようで、1960年頃までは8枚切が主流だったそうです」とコメント。
そんななか厚切りへの扉を開いたのが、1960年ごろから始まった「神戸屋」の6枚切りキャンペーン。「パン食を広げるには、おいしさがより伝わる厚切りの方がいいと考え、米国製の食パンスライサーを8枚切りから6枚切りに改造したのです」という。