大阪市淀川区の建物内で女性の遺体が見つかった事件で、大阪府警は4日、女性の身元を現場1階の弁当店で働くアルバイト店員でベトナム国籍のボ・ティ・レ・クインさん(31)=同市西淀川区花川1丁目=と明らかにした。
遺体が見つかったのは現場2階にある50代男性の自宅内だったことも判明した。
府警によると、男性は自室のベッド上で首から血を流して倒れているのが見つかり、病院に搬送されたが命に別条はないという。
店の防犯カメラには3日朝にクインさんがこの男性とみられる人物と一緒に外出する姿が写っていた。府警は殺人事件の可能性も視野に捜査し、2人の関係性やトラブルの有無も調べる。
3日午後1時20分ごろ、弁当店の店主が「従業員が帰ってこない」と近くの交番に申告。3日夜、防犯カメラ映像などを手がかりに男性宅に入った警察官が、血を流した男性と血の付いた刃物を発見した。
この際女性は確認されなかったが、4日朝に室内を再び詳しく調べたところクインさんが見つかり、死亡が確認された。
現場近くの女性によると2階の男性は弁当店にドアの開け閉めがうるさいと苦情を言うことがあったという。
取材に応じたクインさんの夫(35)によると、クインさんは大学院に入り日本語教師になるのを目標に約1年半、弁当店で働いてきた。
「妻は日本が本当に好きだった。どうしてこんなことになってしまったのか」と声を落とした。(共同)