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■「新ビッグ3」の一角に

シュタドラー社の展示の中で、もう1車種注目を集めたのが、アゼルバイジャン国鉄向けに製造した1等寝台車だ。
欧州域内で使用される、従来の標準的な寝台車の構造を踏襲しつつ、トイレ兼シャワー室をうまく配置し、快適な室内空間を生み出している。
契約では、シャワー・トイレ付個室を備えた1等寝台車以外に、2等寝台車や食堂車なども製造される予定となっている。

昨今は、欧州でも衰退の傾向にある寝台列車だが、まだまだ一定の需要があり、実際オーストリア連邦鉄道では2017年に新型寝台車を投入する計画だ。
こうした寝台車の展示は、将来的に各国での新型車両投入に期待を抱かせる。

いわゆるビッグ3や、成長著しい隣国の中国中車など、注目を集めるメジャーメーカーとは異なり、日本ではまだあまり知られていないシュタドラー。
しかし、同社の高品質で堅実なモノづくりや、豊富な商品ラインナップは、
ビッグ3に次ぐ第二勢力……いや実力のうえでは、すでに欧州ビッグ3に食い込む「新ビッグ3」の一角を担うと言っても、決して過言ではないだろう。
近い将来、日本でもシュタドラーの名前を見る機会が増えることになるかもしれない。