(CNN)
米ハワイ島のマウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡がこのほど、おとめ座の方向に約6000万光年離れた位置で相互作用している2つの渦巻き銀河を撮影した。
2つの銀河の名称は「NGC4567」と「NGC4568」で、チョウのような形に見えることから「バタフライ銀河」とも呼ばれる。重力によって互いに引き寄せられ、衝突を始めたばかりの段階にある。
5億年後には2つの銀河の合体が完了し、ひとつの楕円(だえん)銀河を形成する見通しだ。
衝突初期の現時点では2つの銀河の中心は2万光年離れていて、どちらも風車のような形を保っている。銀河同士の絡み合いが増すにつれ、重力により星形成が盛んに起こるようになり、本来の銀河の構造に変化やゆがみが生じる。
その後、2つの銀河は円を描きながら互いの回りを周回し、その円が次第に小さくなっていく。周回の円が小さくなることでガスや星の流れが引っ張られ、2つの銀河が混ざり合って球形に似た形となる。
天の川銀河もいずれ、近隣の銀河で最大かつ最も近いアンドロメダ銀河と衝突し、同様の銀河合体が起こるとみられる。
米航空宇宙局(NASA)の天文学者は2012年、ハッブル宇宙望遠鏡のデータを使い、この2つの渦巻き銀河が衝突する時期を予測。複数の試算によると、衝突はおよそ40億~50億年後に起きると予想されている。
https://www.cnn.co.jp/storage/2022/08/12/3ca7cc28f91391c1d365f71fb53cc6f3/t/768/432/d/colliding-galaxies-gemini-north-super-169.jpg