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京都府埋蔵文化財調査研究センターは25日、同府京丹後市にある奈良時代の■尾(つるお)遺跡で、かけ算の九九が表裏に書かれた木簡1点が出土したと発表した。遺跡には当時の役所があったとみられている。
九九の木簡はこれまでに新潟や長野などで、約80点が見つかっているが、記載の個数が最多で、計算間違いや誤字も見当たらないため、役人が徴税の際の早見表に使っていた可能性がある。
木簡は長さ約22センチ、幅約5センチ、厚さ約0・6センチ。片面に「九九八十一」「八九七十二」など九と八の段、もう片面には七~五の段が記されており、両面で計35個の九九があった。
四の段より下はなく、センターは「暗記していて不要だったからではないか」と推測している。
同センターの森島康雄係長は「地方にも能力のある役人が置かれていたことが想像でき、奈良時代の中央集権体制の整備が進んでいたことが垣間見える」と説明した。(共同)
※■は雨カンムリに鶴