かつて苛烈な視聴率争いを繰り広げた『ウルトラマンA』と『変身忍者 嵐』。その戦いにより、両者は何度も路線変更を迫られました。
しかし、もっとも被害を受けたのは両作品とも見たかった当時の子供たちだったかもしれません。
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一方、製作側はこの視聴率争いを制するため、当初とは異なった方向転換、「テコ入れ」を行います。
『A』では、前述した男女の合体変身、宿敵ヤプールの存在といった本作独特の要素を2クールほどでやめました。代わりに「ウルトラ6番目の弟」として地球人の少年・梅津ダンを登場させます。
しかし、このキャラも作品終盤で姿を見せなくなりました。一説によると次回作『ウルトラマンタロウ』で、ウルトラ6兄弟を扱うときに都合が悪くなるからと言われています。
『嵐』ではもっと大胆に行われていました。2クールに入ってから潜水艦や気球、ロボットといった時代考証を考えないものを投入したほか、敵として西洋妖怪を登場させます。
これに合わせて主人公の双子の兄である「月ノ輪」というセカンドヒーローも投入しました。
さらに3クール最後には、この月ノ輪と嵐が合体して「新生嵐」となり、西洋妖怪を陰から操っていた「大魔王サタン」との戦いという展開を迎えます。
この他にも原色で派手だった衣装も地味な忍び装束になり、レギュラー陣も入れ替えるなど、細かい点を含めると、かなりのテコ入れがされました。