237話 北へ

ー空港ー
五条「や!」
宿儺「うっわ」

五条「勝ったと思ったでしょ?」
宿儺「……どうやった?」
五条「僕が茈を出す直前に君が発した『起こり』これで全て察した。確かに空間そのものを切れば僕の無下限は意味を成さないね。でも、その空間が初めから世界と断絶されたものであったら?」
宿儺「!?」

ー現実ー
宿儺、地面に落ちてる五条の腕を見る。指が印を結んでいる
宿儺「まさか…」

ー空港ー
五条「マコラが僕の腕を獲った時、その仕組みは既に理解していた。あの腕、回復が遅かったのはただの消耗だと思ったかい?」

宿儺「…反転術式を脳の治癒に優先した」
五条「ビンゴ!茈の直撃受けたにしては僕らずいぶんダメージが少ないよね」
宿儺「フェイクか」
五条「そ、あれは赫。呪力のコントロールで見かけを変えるくらいはカンタン。オーバーヒート起こしてる脳に無制限の茈の負荷をかければ回復は間に合わない。茈で仕留めるか反転に注力し回復が間に合うか、どちらを取るか一か八かだったね。でも君の『起こり』が答えを教えてくれた」

五条「領域ってのは言わば自分が空間なわけさ。空間そのものを自分で埋め尽くす。君が五条悟から空間へと攻撃対象を切り替えた時点で勝敗は決まっていた」

帳が上がり五条と宿儺共に倒れている姿が明らかになる

ー空港ー
五条「確かに僕の負けだよ。この空間そのものを切られれば僕という存在そのものが切られた事になる。反転術式も意味を成さない。でも間に合って良かった」
宿儺「俺が見た姿は…」
五条「君が僕という存在そのものを切った時、君は既に僕の横に座っていたよ。ずーっと動かないから退屈だったんだけどー?」
五条「死亡直後の情報の残渣、これを走馬灯っていうのかな?その情報の伝達にも僕の無量空処は影響を与えるみたいだね。」
五条「ところで、君はどっちに向かうんだい?」

ー現実ー
カシモ「………」