富田林署逃走
樋田(ひだ)容疑者「日本一周中」愛媛県庁で作製 中村県知事の責任は?

毎日新聞 2018年10月4日12時00分(最終更新 10月4日13時33分)

大阪府警富田林署から逃げて加重逃走容疑で逮捕された樋田淳也(ひだ・じゅんや)容疑者(30)が8月24日、愛媛県庁の自転車新文化推進課を訪れていたことが、捜査関係者への取材で明らかになった。
「日本一周中」と印刷された紙を職員に作ってもらい、サイクリング用の地図ももらった。府警は、樋田容疑者がこの頃から日本一周の自転車旅行を装った逃走を始めた疑いがあるとみている。

樋田容疑者は8月12日夜、署で弁護士と接見後に逃走。9月29日、山口県周南市で万引きしたとして現行犯逮捕され、府警が翌30日、加重逃走の疑いで再逮捕した。

捜査関係者や愛媛県によると、樋田容疑者は8月24日、県庁を1人で訪問し、「今、自転車で日本一周中です。お薦めのルートはどこですか」などと尋ねた。
職員は県内で人気のサイクリングロードを記した地図を提供。
さらに「日本一周用のプレートが欲しい」という樋田容疑者の依頼を受け、「日本一周中」という文字や県のイメージキャラクター「みきゃん」が印刷された紙をラミネート加工して渡したという。

樋田容疑者はこの間の8月30日、高知県須崎市の道の駅で警察官から職務質問を受けたとみられる。
その後、香川県内で知り合った自転車旅行中の男(44)=占有離脱物横領容疑で逮捕=とともに、しまなみ海道で広島県に渡り、山口県まで移動した。

同県周防大島町の道の駅で記念撮影に応じた際、容疑者のリュックサックには「日本一周中」と書かれたキャラクター入りの紙が付けられており愛媛県で提供されたものとみられる。【村田拓也、伊藤遥、竹田迅岐】