B級スポット 珍スポット おもしろ観光地
それでも、自分が特別な立場であることをアピール
できるフレーズとして、反響が大きかったという。 マウンティングポリスさんが意外だったのが、「インド」と「屋久島」
にまつわるマウンティングに反応する人が多かったこと。 <実際に経験しないとわからないと思うけど、一度、インドに行ってみるといいよ。人生観が根本的に変わると思うから>
<屋久島の縄文杉を見た時、自分のちっぽけさに気づいて、会社を辞めることを決意したんです>
マウンティングポリスさんは、二つのマウンティングが人気だった理由についてこう話す。 「同じ『達観系』でもお金もうけに懐疑的な姿勢を強調する
『俗世解脱系』はそこまで反応が大きくありませんでした。 インド・屋久島マウンティングとの違いは、どこにあるのか。 具体的な地名がもたらす説得力か、自分でもできなくはないと
思わせるお手軽感なのか、実に興味深い結果となりました」 https://news.yahoo.co.jp/articles/d5ea05aa3fd2311a498de2e33f818585b7434b2a?page=2
うれしいマウンティングの輪
『マウンティング大全』には、ビジネスにおけるマウンティングだけでなく、
ワインや古典、茶道といった伝統文化にまつわるマウンティングも収録
されているが、どうやってここまで幅広いマウンティングを集めたのか。 「SNSで常にマウンティング関連情報を発信して
いると、自然と入ってくるんですよ。因果応報です」 実際、「X」のアカウント「@mountingpolice」で、積極的に最新の
マウンティング事例を紹介してきたマウンティングポリスさん。 最近では、『マウンティング大全』の感想とともに、新たな
マウンティング事例を教えてもらうことも少なくないという。 たとえば、「企業弁護士」を名乗るアカウントからは、弁護士業界のマウンティング
として「Webサイト作ってないアピールとかも欲しかった」というコメントが寄せられた。 「出版をきっかけに、マウンティングの輪が
広がるという、うれしい流れが生まれています」 今後も、マウンティングポリスさんは、マウンティングの
連鎖を引き起こすべく、SNS発信に力を入れていくという。 リベラルアーツとしての価値
執筆にあたってマウンティングポリスさんが意識した
のは、近年、進化がめざましいAIの存在だったという。 「AIがこれまで人間がやってきたことを代行するように
なる中、人間らしさってどこにあるのか考えた時、その
一つはマウンティングじゃないかと思いました。 AIができないこと、苦手なことを解像度高く理解する。 これはビジネスに関わる人間にとって
競争優位になる重要な視点だと考えます」 『マウンティング大全』がユニークなのが、
マウンティングの事例紹介にとどまらず、
マウンティングの活用術にも焦点を当てていることだ。 事例紹介だけに終わらせなかったことについて、
マウンティングポリスさんは「リベラルアーツとして
マウンティングを理解してもらいたかった」と語る。 「マウンティングは単なるおもしろコンテンツとして消費されるものではありません。 マウンティングを学ぶことを、自分をアップグレードさせるきっかけにしてほしいと考えました」 もともと「天邪鬼な性格」だというマウンティングポリスさん。 「一般的にネガティブにとらえられがちなマウンティング
ですが、それをポジティブな視点で見てみる。 そんな発想の転換があった方が、マウンティング
に親しみを持ってもらえると考えました」と明かす。 自分がマウンティングをするのではなく、相手に気持ちよく
マウンティングしてもらうことで、円滑なコミュニケーションを実現できると説く。 根底にある思いは、『マウンティング大全』の帯のメッセージに記されている。 <マウンティング欲求からは自由になれないがマウンティング競争からは自由になれる>
「マウンティングを自分のものにすることで人間関係がスムーズになる。
それは確実に現場の生産性を向上させます」 さらに、「いいマウンティングは相手への尊敬の念が入っている」とも強調する。 <音楽の道を目指したこともあったが、レベッカの演奏を聴いてコンサルになった>
「こんな風に相手を立てつつ、マウンティングができるようになれたら、最高だと思いませんか?」 『マウンティング大全』では「武器としてのマウンティング術」として、
相手の発言に対して「まさに何々さんの仰る通りでして……」と、
「共感」の気持ちを表したり、「門外漢なもので大変恐縮ですが……」と、
「謙遜」のスタンスで会話をスムーズに進めたりする技術が紹介されている。 痛い<}ウンティング
今後のマウンティングはどうなっていくのか。 マウンティングポリスさんが注目するのが
「サステナビリティ」と「マウンティング」の融合だ。 「現在、アメリカで広まっているのが、『資金調達をあえてしない』マウンティングです。 成長企業と目されることを自慢するのではなく、
投資家に左右されない自分らしさを大事にする。 あるいは、それができる立場にあることをマウンティングする。 同じように、社員数の少なさを強調するなど、社員が
いないことをマウンティングするケースもあります。 これらは、規模の大きさだけを正解としない、持続可能性を重視する
サスティナビリティー社会の価値観を反映したものだと思われます」 ビジネスシーンにおけるマウンティングにおいて「アメリカ
のブランドは健在」だというマウンティングポリスさん。 「たとえばニューヨークは、留学時代の思い出から、駐在
経験、急な出張にいたるまで揺るぎないものがあります」 今後のマウンティングの未来について考える上でも
アメリカにまつわる国際情勢は重要だという。 「このまま、アメリカ一強が続くのか。中国の存在感は常にマークしておかなければいけませんし、
エンタメ業界の流れから韓国を絡めたマウンティングが広まる可能性は十分あります」 取材の最後、マウンティングポリスさんはあえて『マウンティング大全』
に収録しなかったマウンティングについて教えてくれた。 「有名人が亡くなった直後、生前、どれだけ親しく
していたかをアピールする投稿が散見されます。 あるいは、『9.11』に合わせて、当時、ニューヨークで手がけていた仕事を振り返る。 マウンティングは、社会的動物である人間がコミュニケーションを円滑にするため
の道具であるべきなのに、それを阻害する痛い投稿≠ノなってしまう。 Facebookで、過去の投稿を振り返るメッセージが現れたら、すぐ
に食いつかず、一度、落ち着いてみることをおすすめします」 これ女性で多いイメージだけど、自分はボロクソ言うくせに、
同じ論理が当人にあてはまってる人。火傷しそうだから黙ってるけど