「Dear Mr. Fantasyの新しいドラム・パターンを昨日徹夜で考えたんだ。今度のツアーで使おうと思って」
「それはいいんだ、ジム。ツアーでは外部のドラマーを使おうと思っているから」
「エッ、アハハ。そうなんだ?じゃあ、俺はパーカッション?」
「い、いや、それも雇ったからいいんだ」
スティーヴは自分の優柔不断さが嫌になってきた。どうしてはっきりと君はクビだと言えないんだろうか。
「エッ、アハハ。そうか?じゃあ、俺はタンバリンやるよ。えーと、鈴でもいいよ。やったことあるだろう、君も。
小学校の学芸会でさ、左手に鈴を持って、右手でトントンと左腕を叩くやつ。あれさ。あれ、俺、得意なんだ」