「太陽の涙」前半のあらすじ
(第十一話の冒頭ナレーションより)

及川庄司(加藤剛)33歳。彼は旅行社に勤務していました。一度脳溢血で倒れたことのある病身の父(長浜藤夫)と、全く血の繋がりのない弟(小倉一郎)と三人の家族です。しかし弟の努は父や兄の愛情に拗ねて、今も不良との喧嘩で足を骨折し入院中です。それでも庄司は嫌な顔をしないで病院に見舞うのですが、その病院の売店に働く芳子(沢田雅美)という健気な娘がこの兄弟の関係に心を動かされ、つい心情的に深入りしていくのでした。そして、井上ハツ(菅井きん)という蕎麦屋のおかみさんもつい深入りした一人でした。彼女は庄司の親孝行に惚れ込んで、お嫁さんを世話しようとするのでした。『新作』という大きな鉄板焼きの料理屋の娘澄子(山本陽子)に見当をつけたのです。それというのは澄子の父新作(浜村純)は、妻と3人の息子に裏切られ、親孝行な息子なら気に入るだろうと思ったからです。新作は気に入りました。しかし澄子は写真も見ないで断ったのです。それというのが、つい先日、自分を一方的に好きになった若い会社員が、使い込みをした事件が週刊誌にまで出てしまったので、そんな直後の結婚話はまっぴらだと思っていたからです。