或る伝統会社の昔
と言うやいなやペーパーバックをもぎり取り、
地下鉄の床に叩きつけた。
では、この会社。英語が必要でない部署ばかりなのか。 仕事に人がついてくるのではなく、人がいて仕事が作られるのだ。
取引先の子弟で「英語を使った仕事をしたい。」というのがいるとする。
親のカネで何年も外国放浪して、コネなしでは年齢制限に引っかかっても
お構いなし。
地方の無名短大出身でも「英語が得意。」といえばオーケー。
親が営業部長に圧力をかけて、英語使い部門に欠員が生じたら
異動させてくれる。
誰のおかげで「英語使い」になれたのかも気が付かないまま。
そしていかにオマエが無能で役立たずであるかとののしる。 そう言い放つやいなや、さっさと席を立ち上司は立ち去る。 上司は自分がちっぽけな権力を振り回したことに陶酔していた。
降格公示まえに退職すれば、降格前の待遇で
退職金など諸費用を出してくれる。
つまり、降格されて安い給料で生き恥をさらすか、
サッサと辞めるかを選択させられる。ありがたい御慈悲である。
「これから話すことは一切メモを取らないでください。」
といって、部長は同業他社と取り決めた製品価格、シェアなどを
部下に伝達する。
上司に嫌われている椰子だと、推薦状を書かれるのを拒否される。
上司やその上司のペットがまた上司になると
いつまでたっても昇格できない。飼い殺し。
「成果主義」で給料もびた一文上がらない。踏んだり蹴ったり。
役所からキツイ注意を受けたらしく、社員皆コンプライアンスの
通信教育を受けた。
テストを提出するのだが、テキストを見ればよいので
普通は90点台、満点が続出してもおかしくないはずだった。
そういうデタラメをする椰子だけが出世できたからである。
例
「アンタの同期の○○。こういうところがオカシイと
皆が言っている。そうだろう。」
例
「お前の隣の女の子。だれそれといい仲なんだって。話題だぞ。」
だが人事が言っているのだから本当だと思ってしまう。
そして、同僚に「ある筋から聞いたのだが。」と
無意識に噂を話してしまう。
やがて噂には尾ひれ背びれがついてとんでもない話にハッテンする。
噂が戻って来たところを見計らい、人事は保証人を呼びつける。
「アンタからあの椰子に辞表を書くように伝えて欲しい。」
「そうやって折角採用した人材を
『気に入らぬ』ということで放り出して
今までより良い人材が確保できると
本気で思っているのか。」