>>46
「ありがとう、ユハネ。わたし、がんばる!」
「ユハネさーん、わたしには何もないのー?」
「めんどくさいんだから…あんたには、はい。」
「おい!扱いが違う!投げるなよー!なにこの棒みたいなのにジャラジャラしたやつは。」
「えーっと、それ多分"ぁま乃杖。書道の大家の丸顔の僧侶が持っていたらしい。」
「適当な解説…どう使えばいいんだよ。」
「そんなの鈴の好きなようにw」
「おまえさあ…さっきの事まだ根に」
「はいおこらな〜い♪」
「あなたたちには時間がない。1秒でも惜しいからさっさと修行しに行って。さっききたエレベーターで下がれば地下の道場に行けるわ。」
「ありがとう、ユハネ」
「ユハネ、てめえあとで、」
「はい、いってらっしゃ〜い♪」

「騒がしい方たちでしたわね。でも、いい方でしたね。ユハネさん、いい友達を持ってよかったですわね♪」
「べ、別にあんなやつら…うん。」
「ゆは、しおり、ともだ…ち」
「いっちゃん!私と汐里の名前を…そんな…」
ユハネの瞳からキラりと光る雫が溢れ落ちた。
「奇跡っていいタイミングで来るんだねえ。」

病室のカーテンが春の風にゆらゆらと揺れ、優しい陽の光が病室を照らしていた。
「あら?紙飛行機?こんな高いところまで、すごいですわね。」
「みんな!窓から離れて!」
レイナが叫んだその瞬間、ボンッという爆発音と閃光が同時に起こった。

汐里と鈴を待ち受ける修行とは?
ユハネ、レイナ、ホノピ、ウタノの安否は?
つぶグミをめぐる戦いは熾烈を極めるのであった。


消防のサイレンが鳴り響き、病院の前には野次馬の人集りでごった返していた。
「ごめんなさい。こうするしか…」
野次馬に紛れて病院の最上階を見つめ呟く少女。傍に「MSMW」のロゴが印刷された封筒を携えていた。