>>42
「とたすら…?なんなのそれ。」
「私にも分からない。でも、怪しいのはそれだけじゃなかった。その後に汐里がラボに現れたの。いっちゃんと同じように、私の手助けをしてほしいって誘われて…」
(この子らが嘘をつくはずがない。悪意の第三者がこの子達の好意を利用してたくらんでいる。)
「汐里がラボに入った瞬間、いっちゃんが持ち込んだつぶグミが眩しい光を放って…気がついたら私たちは身体中火傷を負って倒れていたの。」
あまりにも壮絶な出来事に誰も言葉を発することができなかった。
「いっちゃんと汐里の体の傷は治ったけど、いっちゃんの心の傷は治ることがなかった…ショックで言葉を発することができなくなり、知能も3歳の頃に戻ったまま。」
ホノピとウタノの咽び泣きが病室に響き渡っている。
そんな中、レイナは立ち上がってユハネの肩を優しくポンと叩いた。
「大変だったね。でも、一つだけ言わせてもらうと、いっちゃんが"可哀想"なんて言っちゃいけないよ。」