西田汐里の朝は里吉うたのの放尿認証からはじまる

早朝に採取したうたのの一番しぼりをワイングラスへと注ぐ
グラスを持ち上げまだ朝焼けの陽の光に当てると
少し泡立ったしおりの小水が黄金色のシャンパンのようにキラキラと輝く

「ふふ…きれい…」
うっとりと眺める汐里の顔を うたのの小水越しの日光がやさしく照らす

次にグラスを軽く回して うたのの香りを楽しむ汐里
顔に近づけて一気に鼻腔の奥まで吸い込むと濃厚なアンモニア臭がうたのの脳を刺激する
寝ぼけた頭をシャキっと覚ます爽やかな香りだ

いよいよグラスに口を付け うたのの黄金酒を味わう時がきた
ひとくちだけ含み口の中で転がす
強い酸味と苦味の奥からほのかな甘みが汐里を恍惚の世界へと誘う
それはまるでうたのの歌声のように伸びやかで
どこまでも広がる黄金の草原を吹き抜ける春の風のようだった

少し前までは若い子のほうが苦味も少なく飲みやすいと思っていたが
この22年物の程よい苦味と芳しい香りを一度知ってしまったらもう戻れない
しおりの小水にはそれくらいうたのを虜にする深い味わいがあった

いつまでもしおりを味わっていたいという気持ちを押さえつつ甘美なる黄金水を喉へ流し込む
雑味のないスッキリとした喉ごし さすが朝一番のしおり水だ

「よし!うーたんは今日も健康!!」

うたのは満足気に残りの美酒を一気に飲み干し
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今日も素敵な一日になりそうだ