米国防総省高官は２日、記者団に対し、中国のものとみられる偵察用気球を米モンタナ州の上空で発見したと明らかにした。
バイデン大統領にも報告され、撃墜を検討したが、地上に破片が飛散するおそれがあることから見送ったという。
高官によると、気球は無人とみられ、数日前に米国領空に入り、米軍機などで追跡していた。民間の航空路をはるかに超える高度を飛んでいるという。
米政府は、中国の気球と断定し、複数のルートで中国側に情報を伝え、対応を求めた。
モンタナ州のマルムストロム米空軍基地には核ミサイルが配備されており、気球の目的について、高官は「機密性の高い場所の上空に飛ばし、情報を収集しようとしているのは明らかだ」と指摘した。
気球の大きさや機能などの詳細は明らかにしていないが、高官は中国の人工衛星と比較し、「（収集できる情報に）大きな付加価値をもたらすものではない」との見方を示した。
米国防総省によると、過去数年にわたり、同様の気球の飛行が確認されているという。同省のパット・ライダー報道官は２日の声明で、「地上に軍事的、物理的な脅威を与えるものではない」と述べた。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230203-OYT1T50126/