100円稼ぐコストが1万9110円――。
JR東日本が公表した2021年度のローカル線の収支状況で、こんな衝撃的なデータが明らかになった区間が千葉県にある。
JR東管内で収支率ワーストタイの、その区間があるのは房総半島を走る久留里線(全長32・2キロ)
https://mainichi.jp/articles/20221228/k00/00m/040/183000c
JR東は22年、利用者が少ないローカル線の収支を初めて公表した。
新型コロナウイルス禍前の19年度の輸送密度(1日1キロ当たりの平均旅客輸送人員)が2000人未満の路線や区間を対象とし、
7月に19年度と20年度の実績を公表。11月には21年度分も明らかにした。
公表対象の35路線66区間はほとんどが東北や甲信越のローカル線。しかし、東京に隣接する千葉にも苦戦を強いられている路線・区間があった。
主に房総半島を走行する路線で、中でも久留里線の収支の厳しさは目を引く。
久留里線の収支データは木更津―久留里間(22・6キロ)と、久留里―上総(かずさ)亀山間(9・6キロ)の2区間に分けられる。
木更津―久留里間は21年度の収支を見ると、営業費用8億7500万円に対し、収入は6800万円。文字通りの「大赤字」だ。
久留里―上総亀山間になると、更に悪化する。21年度の収入はたったの100万円。
これに対し、営業費用は2億8100万円で、収支率は0・5%しかない。
JR東の管内では、東北の陸羽東線鳴子温泉(宮城)―最上(山形)間と並び、「最悪」の赤字区間となっている。