任期満了に伴う兵庫県尼崎市長選は20日午後8時に投票が締め切られ、現職後継の無所属新人で前市教育長の松本真氏(43)が、
日本維新の会公認の新人で社会福祉法人理事長の大原隼人氏(44)を破り、初当選することが確実になった。
松本氏は兵庫県内の現役首長では最年少となる見込み。
松本氏は静岡県出身で元文部科学官僚。今年7月、3期12年を務める稲村和美市長(50)の後継として立候補を表明した。
選挙戦では白井文前市長から2代20年にわたる行財政改革の成果を踏まえ「尼崎を次のステージへ」と訴えた。
長年続く子育て世代の転出超過への対応が争点になる中、教育長としての経験と実績を基に「教育の質を向上させ、子育て負担を軽減する」と強調。
18歳までの医療費無償化や待機児童ゼロなどを公約に掲げ「市民との対話を重視し、誰一人取り残さない市政を実現する」とし、無党派層の支持を集めた。
白井、稲村市長と続く「市民派市政」の継承を意識して政党推薦は求めなかったが、今年3月の西宮市長選と同じく、維新への警戒感を強める自民党や立憲民主党などが「維新包囲網」を築いて自主的に支援。
自主投票とした公明党支持層にも浸透して攻勢を振り切った。
大阪府外で初の首長誕生を目指した維新は、選挙戦最終日まで馬場伸幸代表や共同代表の吉村洋文・大阪府知事ら党幹部がこぞって尼崎入り。
地元出身の大原氏は、維新が首長ポストを握る大阪府市と連携を強化することで地域振興につながるとアピールしたが、及ばなかった。
維新は兵庫県内市長選で5戦全敗。