OECD諸国との相対的な地位の低下を食い止めるためには、最低限、OECD諸国平均の成長率を実現しなければならない。そして、日本のかつての地位を挽回するには、OECD諸国平均より高い成長率を実現する必要がある。

ところが、2010年から2020年にかけての直近の10年の一人あたりGDPの増加率は、OECD平均が1.09倍なのに対して、日本は0.89倍だ。2000年から2020年では、OECD平均が1.66倍なのに対して、日本は1.03倍だ。

日本はそのうち、マレーシア並みになる

この傾向を逆転するのは容易なことではない。
しかし、そうしない限り、図表2に示されている日本の左右対称の図形がさらに「先進国からの脱落」に向かってしまうことになるだろう。

これまでの傾向が将来も続くとすれば、数年後に韓国が日本を追い越すのはほぼ確実だ。
そして、その後さらに格差が広がっていくだろう。

仮にこれまでの成長率が将来も続くとすれば、20年後には、日本の一人あたり名目GDPが4万1143ドルなのに対して韓国は8万894ドルと、ほぼ倍になる可能性すらある。

日本はそのうち、マレーシア並みになる。そこで止まらず、インドネシア並み、ベトナム並みになる危険がある。
これは、そう遠い将来のことではないかもしれない。
https://president.jp/articles/-/63417?page=4