新型コロナウイルスのワクチン接種会場に押し入ったとして、建造物侵入罪に問われた反ワクチン団体「神真都(やまと)Q会」理事倉岡宏行被告(44)=東京都大田区=ら5人に対する論告求刑公判が17日、東京地裁であり、検察側は倉岡被告に懲役1年6月を求刑した。
被告は団体には使途不明金などの問題があると明かし、解散に向けた手続きを取りたいとした。
被告人質問で倉岡被告は団体の退会届を出したとし「(接種を希望する)自由意思を邪魔し、不安や恐怖を与えて反省している。二度とこのようなことがないよう、まっとうに生きていく」と謝罪した。
弁護側は寛大な判決を求めて結審した。判決は12月22日。
他4人への求刑は、埼玉県ふじみ野市の三輪麻希子被告(50)と同県三郷市の平野博被告(49)が懲役1年、千葉県市川市の中川昇被告(65)と東京都豊島区の高野珠里被告(41)が懲役10月。
検察側は論告で、倉岡被告が主犯格だとし「感染拡大防止のためのワクチン接種を妨げた。マスクもせずに強引に建物に立ち入るなど悪質だ」と非難。
弁護側は、いずれの被告も反省しているなどと訴えた。
起訴状によると、5人は東京都新宿区などの接種会場に侵入したとされる。
神真都Q会は米国の過激な陰謀論勢力「Qアノン」の日本支部をうたっている。一般社団法人として登記し、子どもの健全育成や社会貢献活動の推進を事業目的にしている。(共同)