野球の本場で起きたアクシデントがちょっとした物議を醸している。現地時間5月13日に行なわれたニューヨーク・メッツとシアトル・マリナーズの一戦での一幕だ。
メッツが本拠地シティ・フィールドにマリナーズを迎えた一戦は、日本にとっても特別な日でもあった。というのも、日本に野球が伝えられてから150年という記念を祝したこの試合は、「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」と銘打たれ、試合前にはニューヨークに拠点を構える日本領事館の森美樹夫大使の始球式も予定されていたのだ。
だが、始球式は実現しなかった。森大使はマウンドにまで上がったものの、「タイミングとプロセスに混乱を生じさせる事情が起きた」(メッツの声明)ためにセレモニーが行なわれないまま、試合が始まってしまったのだ。
一連のゴタゴタは試合後に小さくない話題となった。メッツは「後日に始球式の舞台を用意できるよう調整している」としたものの、SNSでは、事態を把握できぬまま、マウンド上で困惑する森大使と、目もくれずに淡々とピッチング練習をするメッツ先発マックス・シャーザーの映像が拡散され、さまざまな意見が飛び交った。
無論、米メディアや識者間でもクローズアップされる事態となった。米メディア『DNVR Sports』のリポーターを務めるスージー・ハンターさんは「今日は日本伝統を祝す夜で、駐米大使が始球式を行なう予定だったが、マックス・シャーザーがそれをさせなかった」とツイートした。
SNSで噴出した意見の多くが、スケジュール管理を誤ったメッツの対応に対する批判だった。だが、一部ではマウンドを譲る素振りすら見せなかったシャーザーにも賛否が集まった。
米紙『USA Today』などに寄稿するロバート・アトキンソンJr.記者は、「始球式を務める予定だった男性の心意気に感謝したい。彼はシャーザーを混乱させないようにした。私はシャーザーを責めることはできない」と森大使の振る舞いを称えつつ、37歳のベテラン投手を擁護。
一方でハーバード大学卒業の歴史家であるニューヨーク出身のクリストファー・ニコルズ氏は「まったく起こす必要のなかった国際的問題だ。なぜなんだメッツとシャーザー!」と厳しく非難した。
自身の“仕事”のために入念な準備をしていたシャーザーに非はないように思える。だが、その一見すると冷たいようにも見える振る舞いは、現地でも物議を醸してしまったようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0472a697567109faf48189ca25c51ee79ab7211d
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