北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、25日の軍事パレードを指揮した軍の幹部らを前に
「敵対勢力による核の脅威を、必要ならば先制的に粉砕する」と述べ、核兵器を抑止力としてだけでなく、
先制攻撃に使用することも辞さない姿勢を改めて強調しました。

30日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は「元帥服」と呼ばれる白い軍服姿のキム・ジョンウン総書記が、
25日の軍事パレードを指揮した軍の幹部らを党本部で激励したと伝え、一緒に記念撮影した写真を1面に掲載しました。

この中でキム総書記は「力と力がしれつに激突する今の世界で、誰も止められない攻撃力と圧倒的な軍事力は、
わが国と人民の将来を保証する生命線だ」と指摘しました。

そのうえで「敵対勢力によって増大し続ける核の脅威を含む危険な試みと威嚇的な行動を、
必要ならば先制的に徹底して制圧、粉砕する」と述べました。

キム総書記は、軍事パレードでの演説でも「われわれの核は、戦争防止という1つの使命だけに縛られない。
わが国の根本利益を奪おうとするならば、第2の使命を決行せざるをえない」と述べていて、
核兵器を抑止力としてだけでなく、先制攻撃に使用することも辞さない姿勢を改めて強調した形です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220430/k10013606441000.html