企業も消費者もデメリットばかり

まずは円安がどういう問題を引き起こしているのかおさらいしておこう。

最初に挙げられるのが、輸入物価上昇の主因のひとつになっている点だ。輸入物価 の押し上げには、世界経済が新型コロナウイルスのパンデミックからの回復軌道に向かい需要が戻り始めたこと、ロシア軍のウクライナ侵攻によって穀物、化石燃料、資源などの価格を押し上げたり、世界的な物流の混乱に拍車をかけたりしていることが影響しているが、それに加えて、この円安が主要な要因となっている。


「円のたたき売り」が起きてもおかしくない

では、この歴史的な円安はどこまで進むのだろうか。
エコノミストの中には、キリがいい1ドル=130円前後という人もいれば、2002年の円安局面の転換点になった1ドル=135円69銭という人もいる。
その先には、1998年の147円66銭、さらに1990年の160円20銭といった節目があるとの声も聞こえてくる。

もちろん、いきなり1ドル=150円とか160円という水準にまでいくとは考えにくい。現状でさえ、実効レートを重視する専門家の中には、円安が水準として行き過ぎだという人もいないわけではない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/670d4ff69fb7356b9af1b90f4e18b818c68fc237?page=1