日本人がヨーロッパで新しい服を着ていると「あるのに、何故買うの?」と言われるのだとか。
「やたら買うことは愚かしいこと」と捉えられているので、イギリスなどでは古着の肘にパッチをつけてまでも着倒し、それは当たり前と取られているらしい。

ところが日本では古い服を着ているのはみっともないという価値観が蔓延している。
少しでもすれているのはみっともない。
靴下に穴が空いているのもみっともない。
だからやたら買わなくてはならない。
いつまでも同じものを着るのもみっともない。
だから穴が空いたり、すれてもいないのに捨ててしまう。

江戸時代から開国、文明開化、戦争と、日本は激変の歴史を経て、現在に至る。
ところが明治の開国あたりまでしか歴史は教えられず、一番肝心の太平洋戦争は「忌まわしい過去」として葬り去り、見ようともしない。
おかげでほとんどの日本人は歴史オンチ、自国の文化オンチ。
8月15日は何の日と聞いても分からないバカがいるくらいだ。
しかも結構な年齢でもね。

衣類についてもおなじ。
着物と洋服と言う文化の違いすら検証せずにやたらと買い込み、持て余している。
その割りにアングロサクソン人に合わせた服は、その体型の違いを残酷なまでに現してしまう。

同じ洋服を着たら、絶対彼らにはかなわない。
ヨーロッパの町にはマネキンのようなかっこいい人々が闊歩している。
彼らが着ているものはごくごくシンプルで地味。
それなのに見とれるほどかっこいい。
憧れて日本人が服を着てみても、本当に存在感がない。
小さいので、彼らと対等の印象を持つためには猿回しの猿のような服でなければ対抗できない。

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