戦国時代、山城となった信貴山は戦火兵乱で荒れに荒れ、本尊の毘沙門天まで放り出された。
投げ棄てられていた信貴山毘沙門天さんが見つかったのは現在の奈良市毘沙門町。
村人の手で安全な近くの寺に安置されて難を逃れ、現在に至る。
信貴山の本当の本尊の毘沙門さんがおられるその寺の名は、良徳寺。昨年末に亡くなった融通念仏宗管長、故・倍巌良舜猊下の御自坊だ。ならまちの中心に位置しているので、奈良に行かれる際には是非一度は信貴山の本当の毘沙門さんにお参りを。
町名も毘沙門町。このエピソードもれっきとした奈良市史に記載されているものなので、妙なケーブルカーに乗って僻地にゆくくらいなら、ならまちを散策すべし。