「昭和の包丁:復活編」 第A回 正本総本店 牛刀包丁 270mm

正本総本店の牛刀に(とりあえず手持ちの材料で)ハンドルを付けます

▼元のまんまのフルタングで復元します

▼材料は15mm厚の栗/クリのコッパを使用 (元のハンドル材は樫かヒッコリー?)
 柾目材の芯寄りの(追柾目)部分を切りだし、カンナで9mm厚まで削り込みます

 (材料が小さく薄いので、研ぎ台とゴム砥石台で固定して作業しました
 削った感触はクリの実に似てネットリ気味)

※画像は作業イメージです
https://i.imgur.com/StKI2xb.jpg 

▼タングとボルスターに接する面と木口を、「カシュー」塗料の3回塗りで防水養生します

 (乾燥状態の良否が不明で、春材部分の道管がやたら粗い環孔材、無垢のまま水周りで使えるかわからないコッパなのでカシューを塗ることにしました
 将来的にタングの防水性を確保する意味もあります)

ヘラで塗ります
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ホントは1週間ぐらい乾かしたいんだけど…
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▼包丁本体のタングの表面にヤスリがけで "足つけ"、変性シリコーン系接着剤を塗布して防水処理し、凹凸を均します
 乾いたらスクレーパーで余計なでっぱりを削り、#320のサンドペーパーで "足つけ" します

 (サビをあらかた除去したタングの断面形状は )( 型をしているので、充填型弾性接着剤をコーキングとして使用
 鋼材と接着剤の密着度のテスト、ハンドル材を貼るさいに接着剤の気泡が "ス" になるのを防ぐ意味もあるので、接着前に「前処理」しました)

たっぷり塗ってヘラで均します
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まる1日置いて乾かします
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スクレーパーで均します
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こうなりました
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▼片面ずつ、変性シリコーン系接着剤でハンドル材をタングに接着、ドリルでカシメ穴(φ3.5mm)を開け、ノコで外形の "荒取り" をします
 接着剤はハンドル材とタングの両方に、圧着したらハミ出してくるぐらい塗り、表面が生乾きになってから貼りあわせます

 (接着作業は片面ずつですが、クランプをかけるさいの当て木として反対側にも板材をあてます
 両面を一度に接着してしまうとカシメピン用の穴の位置がわからなくなるのでダメ)

タングと板材の両方に接着剤をたっぷりと
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当て木をそえてクランプで圧着
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まる1日置いたら外形を切り出します
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ついでに軽くヤスリがけも
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φ3.5mmの低速ドリル
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もう片方のハンドル材の接着
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PP板をはさんでクランプの養生
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