東京・荒川区東尾久の和菓子店で、女子大生の木津いぶきさん(18)が冷蔵庫内で変わり果てた姿で見つかり、
後に店経営者で父親の英喜さん(43)もさいたま市内の河川敷で首をつって死亡しているのを発見されたという痛ましい事件が起きた。父娘が死に至った原因は何だったのか。

いぶきさんの遺体が発見されたのは7日午前0時50分ごろだ。荒川区の和菓子店「菓匠木津屋」の業務用冷蔵庫(幅140センチ、奥行き73センチ、高さ85センチ)の中に丸まった姿勢で収められていた。
首には圧迫されたような痕があったほか、目立った切り傷などは見つかっていない。

約4時間後の同日早朝、殺害をほのめかして行方をくらましていた父親の英喜さんがさいたま市岩槻区の河川敷で木に首をつって死んでいるのが見つかった。

警視庁尾久署は死体遺棄事件として捜査。英喜さんがいぶきさんの死亡に関与し、自殺したとみて捜査している。
のんびりした商店街で起きた父娘の死亡事件に、近隣住民らも「ビックリした」と口を揃える。
「勤勉」「おとなしい」「とてもいい人」というのが英喜さんのもっぱらの評判だった。

同署によると、6日午後6時半ごろ、いぶきさんの弟から「お父さんが自殺しようとしている。
お母さんが電話で止めている」と110番通報があった。その前後に、父親から自宅に電話で「娘を店で切った。死にたい。手首を切った。川に沈んで死ぬ」などの連絡があったという。

発見が間に合わないまま、重要参考人の父親が死亡。
事件の経緯や動機の解明が待たれる。