>>59
> 大学進学自体が勉強の目的になっていたか、それによって大学生の質は低下したか
それは少なくとも俺は、科学的にはわからない、としか答えられない。
いや、おそらく誰にも答えられない。
その時代の目的や質というものを定量化したデータを俺は持たないし。
おれは、各時代の学生を同質の目線で捉える目を持っている人間ではないから。

でも、定量化できることなら言う。
進学率は定量化できる。その分析は間違いだ。
進学を志向していたか、ということと、大学の進学数・進学率は比例の関係にあるわけじゃない

90年代に大学の進学数が増えていくのは、短大が減っているから。
女性にとって「短大の価値」が下がった時代なんだよ。
「昔は、女性は短大を出て無いと!」という「ブランド」だった。それが変わったということ。
コレははっきり表にあわられてる。
単純に大学の定員が短大の減少にしたがって、受入数を増やしている。
中流以上の女性の四大進学がはじまった時代。

また、同時期に、進学「率」が急激に増えるのは、少子化ね。
子供の数が減ってるのに、大卒は増えてるから急激なグラフになる。
子供が減ったのに、大卒は増える=激しく志向していなくとも進学できる
「競争鈍化の時代」といえる。
進学率の高さを根拠に、90年代が競争激化、と考えるのは、あまりに反対の勘違い。
この時代の進学率の高さの原因は、大学拡張と親の子供への投資激化にある。
競争自体は鈍化している。

子供が多く、最も苛烈な受験競争が行われたハズの団塊ジュニア世代の受験。
平成五年(94年)では、伸びてはいるものの、その後に比べれば、大学進学数も進学率もたいした事はない。
学歴を志向したかどうか、大勢で苛烈に争ったか否かとは、結果が連動していないことがわかるだろう。

また、受験戦争が言われていた70年代に進学率が落ちたのは
新たな進学=専門学校が台頭したからなのは、これも表を見れば明らかだ。
一時代の子供の数は一定なのだから、一方が増えれば、当然、もう一方は平均として減る可能性が高い。

まあ、専門学校卒の社会的地位ははともかく、結果として、高卒は減った。
コレも一種の学歴主義だと思うがな。「専門が役に立つかどうかはともかく、高卒はイヤだ」という世界。
大学しか見ていないと、統計の罠にはまるよ。