藤井聡太が熱戦「天空の対局場」とトヨタの深い縁 章男社長「ぜひともお役に立ちたい」と前のめり


関口 威人

2022/06/24 07:40

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E8%97%A4%E4%BA%95%E8%81%A1%E5%A4%AA%E3%81%8C%E7%86%B1%E6%88%A6-%E5%A4%A9%E7%A9%BA%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%B1%80%E5%A0%B4-%E3%81%A8%
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© 東洋経済オンライン 真剣な表情で駒を指す藤井聡太五冠(写真:筆者撮影)

将棋の公式戦が開かれる「名古屋将棋対局場」が22日、名古屋市の名古屋駅前の複合施設「ミッドランドスクエア」内にオープンした。

【写真】真剣な眼差しで闘う藤井聡太五冠

日本将棋連盟の公式対局拠点としては東京、大阪(関西)の各将棋会館に続いて3カ所目。中部・東海地方では藤井聡太五冠の活躍で将棋人気が高まっているが、そこに地元のトヨタ自動車が手を挙げて、一等地のビルの会議室を無償提供するという大胆な支援に出た。その狙いや意義を探った。

藤井五冠も「快適にできた」と満足

新幹線や在来線が行き交い、リニア新駅の工事も進む名古屋駅。その駅前で最も高い地上46階建てのオフィスビルを含む複合施設がミッドランドスクエアだ。その17階から40階にトヨタ自動車の「名古屋オフィス」が入居している。16階に入るのはトヨタグループで不動産事業を担ってきた旧東和不動産。今年4月に「トヨタ不動産」へと社名変更している。


ミッドランドスクエア(右の建物)の25階に名古屋将棋対局場がオープンした(写真:筆者撮影)© 東洋経済オンラインミッドランドスクエア(右の建物)の25階に名古屋将棋対局場がオープンした(写真:筆者撮影)
そんな同ビルのシースルーのエレベーターで24階へ。トヨタ自動車の受け付け前を通って、さらにエスカレーターを上った25階でこの日、名古屋将棋対局場の「開場セレモニー」が行われた。

セレモニーには、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段、藤井聡太五冠、藤井五冠の師匠である杉本昌隆八段、佐々木慎七段とともに、トヨタ自動車の桑田正規副社長が出席した。

冒頭でトヨタの桑田副社長は「豊田(章男)社長もこの中部・東海地区で頑張っている棋士の活躍をぜひとも応援したい、お役に立ちたいということで今回この場所をお貸しすることになった。これからこの場所で伝統のある順位戦の戦いが繰り広げられ、新たな盤上の物語が刻まれていくことを大変楽しみにしている」などと挨拶を述べた。


名古屋将棋対局場の前でテープカットするトヨタ自動車の桑田正規副社長(左端)ら(写真:筆者撮影)© 東洋経済オンライン 名古屋将棋対局場の前でテープカットするトヨタ自動車の桑田正規副社長(左端)ら(写真:筆者撮影)
テープカット後、対局場が正式にオープンし、こけら落としとして佐藤九段と藤井五冠による第81期順位戦A級1回戦、杉本八段と佐々木七段による同B級2組1回戦の2局が行われた。藤井五冠は日付を越える熱戦の末に佐藤九段を下し、対局後のインタビューで「こうして対局場を用意していただいて、地元で対局ができるのをうれしく思う。
初めてだったが、すごく快適に対局できた。これが東海地方の将棋界の盛り上がりにつながればいい」と語った。


トヨタ自動車の会議室に真新しい畳が張られた名古屋将棋対局場(写真:筆者撮影)© 東洋経済オンライントヨタ自動車の会議室に真新しい畳が張られた名古屋将棋対局場(写真:筆者撮影)
藤井五冠は愛知県瀬戸市出身で、小学生の頃から名古屋市内の杉本八段の将棋教室に通うなどして腕を磨いた。2016年に史上最年少の14歳2カ月でプロ入りを果たすと、公式戦を勝ち続け、17年6月には歴代最多の29連勝を達成。「藤井フィーバー」を巻き起こした。