動物保護施設の獣医、安楽死の薬を自分に注射 台湾
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-38851315

台湾では今月、保護施設に収容された犬や猫の殺処分を廃止する新法が施行された。
今から1年近く前、殺される動物たちが見るに忍びないと、施設で働いていた女性獣医が自殺し、台湾に衝撃が広がっていた。BBCのシンディー・スイ記者が取材した。

動物が大好きだった獣医の簡稚澄さんは、動物保護施設で働いていた。別の仕事、別のタイミングだったら、もしかすると避けられた悲劇だったのかもしれない。
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保護施設のロビーには、訪れる人に犬の里親になってもらおうと簡さんが描いた犬の絵が飾られていた。
しかし、犬の多くは安楽死させられる運命にあった。

2016年5月5日、簡さんは自らの命を絶った。動物たちを安楽死させる同じ薬品を使って。
迷い犬がどんな目に遭うか、台湾の人々に理解してもらいたいという書き残して。

彼女の死が報じられると、台湾には怒りと当惑が溢れた。
若い女性の命がなぜこのような形で終わってしまったのか、悲劇を大勢が理解しようとした。

一方で、捨て犬や捨て猫の現場で奮闘する職員が、なぜこれほどのプレッシャーを感じなくてはならないのか問う声もあった。

簡さんは地元CITテレビからインタビューを受けた際、初めて殺処分に立ち会った時のことを語っていた。

「家に帰って一晩泣き明かしました」

しかし、メディアに出たことがきっかけで、簡さんに対する個人攻撃が始まった。
簡さんが2年間で700匹を殺処分したと報じられると、一部の人は簡さんを「美しき虐殺者」と呼んだ。
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