この時間だからな〜...誰もみてない?



嫌な起こされ方をした俺は、睡眠を要求してくる体を無視して気だるげに体を起こした
窓の外に目を向け、息を飲んだ。いや、実際そこまで驚いちゃいないんだが。

―目の前に広がるは緑、それを山だと理解するのには数コンマかかった。
―その下では広大な畑、何人かのジジババが顔をあげ手を振ってくる。
―それらすべてを包み込む、突き抜けた青空。種類はなんだろうか、小鳥が飛んでいる。俺はこれをみて今日の夕食に焼き鳥をリクエストしようと思った。

このどれもが、自分の住んでいた自称都会地域ではお目にかかれないものだった。
安心できる。今もある俺を虐げた街よりも、人間としての生き方を貫く。少なくとも安全だと思った。