野口健氏「9000個以上の冬山用の寝袋などを被災地にお届けしたが『避難所が閉鎖するので行き場がなく半壊した自宅に戻るので寝袋が欲しい…』とのお問い合わせが多い。この国は果たして本当に先進国なのか」← 2ヶ月経つのに日本政府は何やってんだ!?

今回は今まで僕が経験した被災地と何かが違う。災害が発生してから二ヶ月間。

今だに車中泊をされている方々の姿、避難所に入れない、入らない方々の多さ、また閉鎖される「避難所から出ていかなければならず在宅避難、車中泊に逆戻りせざるを得ないケースがある」と被災者の方々、また被災自治体の職員の方からもお聞きしました。

道路、電気などの復旧は驚く程に早く訪れる度に作業にあたっている作業員の方々に頭が下がる思いです。しかし、被災者の置かれた生活環境には多くの課題が残されているのではないかと。

家屋が全壊または半壊され安全に住める状況ではない避難者は仮設住宅が完成するまで市や町の指定避難所で生活できるものだと思っていました。

避難所は仮設住宅が出来るまで「繋ぎ」だと認識をしていますが、その大前提が果たしてどれだけ徹底されているのだろうか。一部にその大前提が崩れていないのだろうか。

復興している部分もあれば逆戻りしている部分もある、と現場に訪れる度に感じてきました。

メディアの注目度も過去の災害と比較すると少ないような。「能登は見捨てられちゃったのかな」との声を被災地で耳にしたこともあります。

災害が起きて一月半が経った頃に「今だに敷き布団がなくダンボール1枚に毛布1枚で寝ています。寒くて、寒くて、夜中に何度も目が覚めてしまいます」とのご連絡を頂きましたが「この国は果たして本当に先進国なのか」と感じたのも事実です。

いずれにせよ色々な課題を感じつつ、今は出来る目の前のことを一つ一つやっていきたい。