今週月曜発売の『週刊現代』9/23号、伊集院静の連載コラム『それがどうした 男たちの流儀』がかなりの内容だったのに、検索したところ全然話題にもなってないみたいなんですよね。
そういうわけでTwitterというかXで長文を書くのもアレだから、もう完全に終わったと思われていたこの連載で紹介してみます。

テーマは9月7日に行われたジャニーズ事務所の記者会見だったんですが、まず書き出しから
「あのジャニーズ事務所にこれほど男気があるというか、気骨のある人間がいたとは想像もしなかった。東山紀之さんのことである」
「世の中には逆境に立たされても信念を崩さない男がいるものだと、あらためて世間の広さ、大きさを考えさせられた」と、あの会見でかなり評判を落としたはずのヒガシを大絶賛!

続いて、
「それにしてもNHKはじめ、マスコミの集中砲火のような会見の様子を見て呆きれ返った」
「矢おもてに立った東山さんに、よくあれほど出鱈目な質問が続けられたと思う。所詮、芸能マスコミはこの程度でしかない。”恥を知れ、恥を!”と私はマスコミに言いたい」と報道陣を容赦なく批判。今回のタイトルが「マスコミは恥を知れ、恥を!」なのは、そういうことだったわけです。 あの会見をフルで見たボクの感想とは真逆だったからこの時点で相当ビックリしたんですが、ここからさらに不可解な発言が飛び出すんですよ。

「もし東山さんがいなければ、身内のジャニー氏が若いタレントに犯した性的仕打ちを真実と認めたジュリー元社長だけでは持ちこたえられなかったろう」
「彼だけにしかできなかった。他にジャニーズに人物がいたとしたら長瀬智也かキムタクくらいだったのではないか。中居正広なんぞは自分のことしか考えぬ、ただの二流タレントでしかない。東山さんは本当の兄貴格だったのだろう」
と、なぜか中居正広に流れ弾! そして、最後はこうまとめるわけです。https://tablo.jp/archives/46561

「今、大河ドラマも松潤とかが演じているが、こんなつまらない大河も珍しい。またアヒルが出る保険会社のCWに登場するタレントが、真剣にニュースを読んでいても信用できないに決まっている。私は人間を見る目だけは持ち合わせているつもりだ」と、急に松潤や櫻井翔にまで流れ弾が飛んでいくから、ちょっと想像を絶する展開だったんですよね。

櫻井翔の場合、父親が官僚だった人間が政治のニュースを読んでも信用できないって主張するほうがまだ理解できるし、ここだけ名前を伏せてるのもよくわからない。ただジャニーズの一部を褒め称えて一部を唐突にけなす、不思議な記事だったわけです。

伊集院静といえば近藤真彦『ギンギラギンにさりげなく』や『愚か者』の作詞をしたり、KinKi KidsやNEWS、J-FRIENDSにも作詞をしたり、堂本剛との共著もあったりでもともとジャニーズに近い人ではあったけど、まさかここまでのことになっていたとは。とりあえず人間を見る目がないボクは、彼が批判した人たちのほうがむしろ信用できそうだと勝手に思ってます。(文@吉田豪 連載「ボクがこれをRTした理由」)