米政府は26日、東アフリカのソマリアで過激派組織「イスラム国」(IS)の資金調達を担っていた幹部ら約10人を殺害したと発表した。
米国は「ソマリア政府の統治が及ばない地域が、過激派が自由に活動する拠点になっている」(米高官)とみて、
ISや国際テロ組織「アルカイダ」系のアルシャバブなど過激派の掃討を続けているが、過激派は分散して活動する傾向が強まっており、対応は難しくなっている。
米政府高官によると、アフリカやアフガニスタンでISが活動するための資金の調達などを担っていたビラル・スダニ幹部の動向に関する情報を入手し、
数カ月前から拘束作戦を検討していた。国防総省が1月中旬に作戦計画をバイデン大統領に提案し、今週初めにバイデン氏が作戦を承認。
25日夜にソマリア北部の山岳地帯の洞窟付近で、スダニ幹部らを急襲した。
相手が抵抗したため、スダニ幹部を含む約10人を殺害したという。
民間人の犠牲はなく、米軍側は要員1人が同行していた軍用犬にかまれて負傷した。
スダニ幹部は元々、アルシャバブで資金調達や外国人戦闘員の訓練計画に携わっていた。
2012年に米財務省が制裁対象に指定。スダニ幹部はその後、ISに移っていた。
米国はソマリア政府と協力し、アルシャバブなど過激派の掃討や空爆を続けている。
1月20日にもソマリア政府の要請を受けて空爆を実施し、アルシャバブの戦闘員約30人を殺害した。
https://mainichi.jp/articles/20230127/k00/00m/030/026000c