(岸田文雄政権が進める)「新しい資本主義」って何?と聞かれたときに、私は「官と民がお互い一歩前に出る政策です」と説明しています。すべてを市場に任せると、日本にはミッシングパーツ(不足している部分)ができます。

例えば医学の世界で自由に任せていたら救急・救命をやる人がいなくなりかねません。社会に必要な分野と人材を考え、奨学金などを組み合わせ、志ある人たちに挑戦してもらい、足りないところを埋めてもらう取り組みが必要だと思います。

やはり「人」です。私は両親が共働きの普通の家庭から閣僚や党四役にしてもらいました。家庭の経済事情によって職業選択が縛られる国には魅力がないですよね。本人が努力すれば必ず道は開ける国にすべきだし、家庭に困難な事情がある子供には手を差し伸べていきたい。そうした中から国を背負う人が出てくると思っています。

国の将来に責任を持ち、勇気を持って行動する「安倍イズム」はまねしたいです。安全保障法制など選挙で批判されそうな政策でも、将来のために必要なことをした。アベノミクスには批判もありますが、最後の成長戦略の矢を打ち切れませんでした。人や技術に投資して、イノベーションを膨らませていきます。

党の議論はどこかで結論を出さなければいけないので、私は「聞く力」はもちろん大事にするけれど、結論を出すという意味で「聞かない力」を発揮すると就任会見で申し上げた。今年も貫きますよ。

安倍派(清和政策研究会)の次期会長?なかなか安倍さんに代わる人はいません。志のある人たちで競い合えばいいのではないでしょうか。メディアは会長不在だからといって安倍派の将来を憂慮していますが、会長がいないからこそみんなで協力してきました。必ずしもマイナスばかりではありません。心配なく。方向性は決めていきます。おれはいいよ(笑)(聞き手 沢田大典)



はぎうだ・こういち 昭和38年、東京都出身。明大卒。八王子市議、都議を経て平成15年の衆院選東京24区で初当選し、現在6期目。官房副長官、文部科学相、経済産業相を歴任し、令和4年8月から自民党政調会長を務めている。
https://www.sankei.com/article/20230107-CXJC37MT7ZN4PO62KTX5P6O3XE/