メキシコ治安当局が同国最大級の麻薬組織を率いた「麻薬王」の息子、
オビディオ・グスマン被告(32)を拘束した5日の急襲作戦で、地元当局は衝突による死者が計30人に上ったと明らかにした。
AP通信が6日伝えた。麻薬組織側はマシンガンで応戦、治安当局が武装ヘリコプターを投入するなど激しい銃撃戦となり、負傷者も50人以上に達した。
死亡したのは治安当局の11人と、麻薬組織「シナロア・カルテル」のメンバーとみられる19人。
北西部シナロア州クリアカンでの急襲作戦では、被告の移送阻止を図る麻薬組織側が空港施設を襲撃、民間機も被弾した。
被告は「麻薬王」と呼ばれたホアキン・グスマン受刑者=米国で殺人などの罪により終身刑を受け服役中=の息子で、
米政府が最高500万ドル(約6億6000万円)の懸賞金を提示して情報提供を求め行方を追っていた。(共同)

国防相によると、オビディオ容疑者を拘束した後に歩兵大隊が攻撃を受け、指揮官らが殺害された。
政府側は10人が死亡、35人が負傷。カルテル側は19人が死亡、21人が拘束された。
さらに、カルテルの構成員がクリアカン国際空港(Culiacan International Airport)を襲撃し、
離陸しようとしていた民間機1機とメキシコ空軍機2機が銃撃を受けた。
空軍機は「かなりの衝撃」を受けたため、緊急着陸を余儀なくされた。負傷者は出ておらず、同空港は6日に運航を再開した。
オビディオ容疑者はクリアカンで拘束された後、首都メキシコ市を経由して中部のアルティプラーノ(Altiplano)刑務所に移送された。
同刑務所は厳戒態勢が敷かれているが、米国で服役しているホアキン受刑者はかつて脱獄したことがある。
https://www.afpbb.com/articles/-/3446146