第265代ローマ法王に選出され、聖ピエトロ広場に集まった人々にあいさつする前ローマ教皇ベネディクト16世(バチカンで、2005年4月19日撮影)
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前ローマ教皇ベネディクト16世(本名=ヨーゼフ・ラッツィンガー)が12月31日、バチカンの修道院で死去した。
ローマ教皇庁が発表した。95歳だった。死因は明らかにされていない。
イタリアメディアによると、12月下旬に呼吸器系の疾患で容体が悪化したが、入院を拒んだという。
2013年2月、高齢を理由に退位後、名誉教皇としてバチカンの修道院で暮らしていた。
事実上の終身制が定着していた教皇職で、存命中の退位は約600年ぶりだった。
遺体はカトリックの総本山サンピエトロ大聖堂に埋葬される予定。
ドイツ南部バイエルン生まれ。05年4月、教皇ヨハネ・パウロ2世の死去を受けて行われたローマ教皇選出会議(コンクラーベ)で、第265代教皇に選ばれた。
カトリック保守派を代表する教会指導者として知られ、教皇就任後も同性婚や人工妊娠中絶、安楽死などに反対し、一貫してカトリック教会の従来の立場を訴えた。
聖職者による子供への性的虐待問題が表面化した際の対応が批判され、
22年1月に公表された報告書では、ドイツ大司教時に虐待の報告を受けながら対処を怠ったと指摘されていた。