今回退役したF-22はシリアルナンバー91-4002の機体で、1998年に初飛行したEMD(技術生産開発)機と呼ばれる試作機でした。
EMD機は全部で9機が製造されましたが、91-4002号機は2番目に作られた初期の機体であり、
機体の内部の構成は生産機とは異なるため実際の任務に使うことはできませんでした。
その為、試験終了後の2006年からは飛行することはなくなり、地上で訓練教材として使われていました。
つまり、実際に任務で飛んでいるF-22とは性質の異なる機体であり、91-4002号機の退役がF-22全体の退役開始に繋がるワケではありません。
しかし、今回の退役機の出現とは別に、アメリカ空軍はF-22「ラプター」の一部を早期退役させるよう要求を出たことがありました。
現在、アメリカ空軍はF-22を186機保有していますが、その内の33機がブロック20と呼ばれる初期モデルです。
2022年現在、実任務にも投入可能なF-22はブロック30/35という新しいモデルであり、古いブロック20は訓練任務でしか使うことができません。
これら機体をブロック30/35にアップグレードするには長い期間と膨大な予算が掛かるため、アメリカ空軍では予算節約などの観点から、
たとえ総数を減らしてでも実任務に投入可能なF-22に運用を絞るべく、古いブロック20は2023年度で退役させることを希望したのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f52ac2f001532ba3c69a89df3a05c18a1666050