ドイツ連邦検察は7日、政府転覆を図ったとして、25人を逮捕したと発表した。
貴族の末裔(まつえい)や極右関係者、元軍人、ロシア人女性、陰謀論「Qアノン」の信奉者などで構成されるグループが、連邦議会議事堂を襲撃し、政権を奪取するつもりだったという。
連邦警察は、国内11州で25人を逮捕したと発表。貴族出身の「ハインリヒ13世」と呼ばれる71歳男性が、クーデター計画の中心だったとしている。
逮捕された主犯格2人のうち、1人はこの人物だという。
ドイツのDPA通信によると、捜査当局の強制捜査には約3000人の警官が動員され、130カ所が家宅捜索を受けた。
ドイツ国内のほか、オーストリアとイタリアでも行われた。
クーデター計画には、ドイツ警察がかねて監視対象にしていた極右勢力「ライヒスビュルガー(帝国の住民)」運動の関係者も含まれているという。
「ライヒスビュルガー」は現代ドイツ国家を認めず、暴力を推奨し人種差別的な陰謀論を掲げている。
「ライヒスビュルガー」運動に参加する約50人の男女が、現在のドイツ連邦共和国を転覆させ、1871年のドイツ帝国に模した新国家「第二帝国」を樹立しようとしていたという。
連邦検察の報道官は、「我々はまだこのグループの名前を確定していない」と述べた。
「ライヒスビュルガー」運動には推定2万1000人の支持者がおり、そのうち約5%が極右関係者とされている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c3f0cf9a89d910fdc2a26e27b0381f357f07216