1988年発売の「WOLF」はスズキが投入したネイキッドモデル。
「バイクを気軽に楽しみたいライダーのために」と、シティユースを意識して中低速域を重視されていました……というコンセプトだけ聞くと、
このモデルを知らないライダーは「じゃあグラストラッカーとか、ST250みたいなストリートバイクですか?」と思いたくなるワケですが、その中身は明らかにストリートの域を逸脱していました。
ウルフはレーサーレプリカ「RGV250ガンマ」のエンジンをベースとした水冷2サイクルVツインを搭載、カタログスペックの最高出力は45ps/9500rpm。乾燥重量は125kgというモンスターマシンです。
オーナーによると実測馬力は55PSを発揮しているうえ、現代の125ccクラスの軽量車重をさらに加速よりに調整されているとくれば、その走行性能はオーナーをして「良い意味で狂ってます」と言わしめるレベルでした。
しかし、当時はこのレベルと同等、それ以上の高性能なフルカウルレーサーレプリカが大人気。あえてネイキッド化されたウルフはややマイナー車種でした。
またその後にやってきたネイキッドブームでも、クラシカルな雰囲気を楽しみたいライダーにとってこのスペックは過激であり、その販売年数は2年間……1990年には生産を終了しています。
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