コウモリはデスメタルのボーカリストが発する、いわゆる「デス声」と同じ原理で低めの周波数の声を出しているとの研究結果が発表されました。
コウモリは、飛ぶ虫など獲物の位置を特定するために発する非常に高い周波数の鳴き声の他にコウモリ同士で通信するために周波数が低めの鳴き声も出します。
南デンマーク大学の研究チームは、ドーベントンコウモリという種類の咽頭部を使って実験した結果、周波数が低めの鳴き声は仮声帯と呼ばれる器官を振動させることによって発せられていると結論づけました。
研究チームは、この仮声帯を使っての発声はデスメタルのボーカリストが発するうめくような声、いわゆる「デス声」やモンゴルやロシアのトゥバ共和国に伝わるホーミー、あるいはホーメイと呼ばれる歌唱法と同じだとしています。
この発声法によって、コウモリの声域は7オクターブにも達するのに対して人間の声域は3から4オクターブで、広い声域で知られるアメリカの歌手、マライア・キャリーさんでも5オクターブです。
研究チームの一人は、もしマライアさんも仮声帯を使った歌い方ができれば、さらに声域を広げることが可能だろう、とコメントしています。