「塩をたくさん食べる日本人」は長生き

じっさいには、日本人は平均で1日10.1gの塩を食べています(注4)。日
ごろの食事をこれまでとはぜんぜん違うものに置き換えなければ、こうした過激な目標は達成できません。

そこで不思議なのが、これほど全世界で塩を減らせ減らせといっていて、日本人は塩をたくさん食べているのに、なぜか日本人が長生きだという事実です。

日本人の健康は塩で押し下げられていて、塩を世界標準にまで減らせば、さらに突出して長生きになるのでしょうか?

それとも、塩はそれほど体に悪くないのでしょうか?

高血圧の人でも減塩の健康効果はない

『運動・減塩はいますぐやめるに限る!』じっさいに、高血圧の人が減塩をすることで病気を防ぐ効果を調べたデータもあります(注10)。

結果は予想どおり、効果なしです。ですからやはり、高血圧の人であっても、減塩をしてもいいことはないのです。

どっちみち減塩はしなくていいので、本当は高血圧の人とそうでない人を分けて説明する必要もありませんでした。

しかし世の中には細かい人がいるもので、「高血圧の人が減塩をすると血圧は下がる」という、細かくどうでもいい豆知識をふりかざしては、「減塩に健康効果はない」という大局をごまかそうとしてきます。

そちらにだまされないために、あえて無意味なことを無意味だと説明しておきました。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2022/11/post-100141_4.php