インドのマディア・プラデーシュ州ナンドレータに住むラリット・パティダールさん(Lalit Patidar)は、先天的多毛症で全身が異常なほどの毛で覆われている。
特に顔にはふさふさの毛が生えており、ラリットさんは幼い頃のことを「よく『サル』と呼ばれて石を投げられたり、『動物のように噛まれてしまうのでは』と恐れられたりしたのです」と振り返る。
ラリットさんのような多毛症は「狼男症候群」とも呼ばれ、『Live Science』によると中世以降に確認されているのは100例以下と非常に稀で、X染色体の遺伝子の突然変異によって発生するという。
ラリットさんは「誕生時、全身が毛で覆われているのを見た医師は、『問題ないですよ』と言って毛を剃ってくれたそうです。家族の中で多毛なのは僕だけで、両親は原因も分からずかなり心配したようでした」と明かし、このように続けた。
「僕が『他の子には自分のような毛が生えていない』と認識したのは6~7歳になってからでした。小さな子供たちが僕を見て怖がる姿を見てきましたが、それまでは理由が分からなかったのです。僕は当時、自分が特異だということに気付いていなかったのです。」
「そして学校に行くようになるとからかわれたり、外出すると『怖い』とか『化け物』と言われたりしたこともありました。僕は全く普通の人間なのに、人々は僕のことを伝説の生き物かなにかのように思うようです。」
実は多毛症の治療法は確立されておらず、ラリットさんのような患者は剃毛、トリミング、ワックス脱毛、レーザー脱毛などの対処療法を取るしかない。
ただラリットさんはゆっくりではあるが「いい意味で、自分は他の人と違う。とてもユニークな存在だ」と考えるようになり、家族や友人も「外見が違っても中身は普通の子と変わらない」とラリットさんを全力でサポートしてくれるようになったという。
https://i1.ytimg.com/vi/rib8gFtxZnI/hqdefault.jpg
https://www.youtube.com/watch?v=rib8gFtxZnI