東京屈指の高級住宅街がある港区。豪邸が立ち並ぶ華やかな街の一角に、ひときわ異質な建物があった。
その建物は4階建ての築古マンション。入り口周辺には、ゴミが散乱し、割れた窓ガラスや壊れた家電製品、ゴミ袋が積まれている。
壁面には黒や赤のスプレーで「バンザイ」「持久戦」など挑発的な落書きがされ、屋上から垂れ下がったロープは先が丸まっていて首吊りを連想させる。
さらには生魚や生肉が吊り下げられ、生卵も放置。それぞれ「干物」「卵育て中」いうと解説のような落書きも気味が悪い。
暑気が残る10月初頭。辺りには大きなハエが飛び回り、腐敗臭が鼻を刺す。
一見、ゴミ屋敷か廃墟にしか見えないが、1階にはテナントが入っており、住民の気配もうかがえる。
この建物に何があったのか。調べていくと、徐々に事情が明らかになった。近隣住民はこう話す。
「9月末の夕方頃、スーツを着た若い男性が4人くらいで、ゴミを置いたり、スプレーで落書きしたりしてました。『デザイン性高いな』とか言いながら、やたら楽しそうにしていて、気味が悪かったです」(30代・男性)
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